皮膚科コラム お肌の話 第2回 「保湿の話」
GWも終わり、暖かくなってきましたね。
今月は「保湿の話」です。
まず「皮膚の厚さ」について少し勉強しましょう。
表皮・真皮を合わせた皮膚の厚さは新生児期では1.2mmと非常に薄いです。
幼児、学童期と徐々に厚くなり成人では約2.1mmになります。
次に「乾燥肌 ドライスキン」について。
小児は成人と比較して皮膚が薄く、保湿成分である皮脂の分泌が成人に比べて少ないため、
ドライスキンになりやすいのです。
またアトピー性皮膚炎の患者さんも多くがドライスキンで、皮膚のバリア機能が弱くなっている
ため、細菌やウイルスが侵入しやすく、伝染性膿痂疹(とびひ)や伝染性軟属腫(みずいぼ)、カポジ水痘様発疹症などの感染症にかかりやすくなっています。
さてここで、ドライスキンのスキンケアのポイント!
1) 皮膚を清潔に保つ
低刺激のせっけん、ボデイソープを使用します。ここでポイントは、ナイロンタオルや綿タオルは使用せず、自分の手を使うことです。
泡を作って(ここでは泡立てネットなど使用してもOK)、手に泡をのせ、シャワー洗浄する
だけで汚れはしっかり落ちます。
タオルでごしごしすることで皮膚を傷つけ、皮膚に必要なうるおいも除去してしまうのです。
2) 皮膚の保湿
入浴後できるだけ早く(5分以内が理想)に保湿剤を外用。
当院で処方している保湿剤はヒルドイドソフト軟膏、プロペトなどが多いので、こちらを外用して下さい。
3) 外用量の目安
どれくらいの量を外用するのかわからない方も多いですよね。
外来では説明していますが「FTU(Finger tip unit)」という目安があります。
人差し指の第一関節まで乗るように外用剤を出すと、
それが成人の手のひら2枚分の範囲の外用量(0.5g)になります。
充分な量を外用することがとても大切です。
おまけ
背中に塗るのは、手が届かないこともあるし、よく見えないし難しいですよね。
そこでいろいろ調べてとてもいいグッズを見つけました。
「軟膏塗りちゃん」という商品で、簡単に背中に外用できます。
私は大宮の東急ハンズで購入(税込 ¥1029)しました。
特にアトピー性皮膚炎で、背中に湿疹がある方にお勧めです。
当院子供モデルちゃんに“軟膏塗りちゃん”を持ってもらいました。
天候不安定で、お肌にもトラブル発生要注意の季節です。
次回号は「保湿の話」です。
皮膚科 平嶋 海帆
埼玉県上尾市の産婦人科、ひらしま産婦人科・皮膚科 お問い合わせは
TEL 048-722-1103 予約優先
月・水・金 午前9時30分~12時30分
火曜日 午後2時30分~6時
〒362-0021 埼玉県上尾市原市1464
FAX 048-722-1146