ひらしま産婦人科 最新情報
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2008年1月 症例報告 2008/4/21up!
「オバタメトロ使用により、VBACに成功」
ーVBAC3例にtrialし、3例ともVBACに成功、うち1例はオバタメトロ使用ー
症例1)(オバタメトロ使用症例)
32歳 1妊1経 H16年 28歳 他院にて
双胎にて36周3日で帝王切開。
今回 VBAC希望にて、29週4日にて他院より転院。
妊娠37週3日 子宮口閉鎖 展退0% マイリス膣錠使用開始。
38週0日 子宮口閉鎖 展退0% 子宮下部筋層38mm
38週4日 子宮閉鎖 展退0% マイリス膣錠4回目使用
1月3日 39週1日 PM6:00 陣痛発来のTEL有り
PM8:40 来院 子宮口閉鎖 SP −3 陣痛弱まるが前回帝切のため入院
1月4日 39週2日 骨盤レントゲンにて 産科真結合線13.1cm、CPDなく、BVAC可能と判断
AM10:00 微弱陣痛 軟産道強靱適応で 子宮口3cm
展退50% SP−3 にてオバタメトロ使用(80ml)
AM10:35 陣痛開始
PM5:18 メトロ自然脱出 子宮口6〜7cm開大
脱出後陣痛弱まるも人工破膜せず、自然陣痛発来を待つ。
1月5日 39週3日
AM3:00 羊水流出時より陣痛強くなり、
AM6:00 子宮口9cm開大 SP−1cm 胎胞形成。
AM8:36 子宮口開大9cm 変わらず 人工破膜施行
AM10:08 全開大
PM0:30 第2期遷延 微弱陣痛 低在横定位 適応で、
吸引分娩(峡部1回 抵抗普通)にて、晩出。臍帯巻絡頸部1回
3,328g 男児 Apgar Score 9−10点
大横径 9cm 分娩所要時間 26時間0分 出血量 316ml
*コメント*
VBACにおいて、過強陣痛の副作用もなく、頚管熟化作用のあるオバタメトロ使用は、微弱陣痛・子宮口強靱の症例に有効である。
VBACにおけるオバタメトロ使用の場合、メトロ脱出後の微弱陣痛に対して、過強陣痛の副作用のあるオキシトシンを使用せず、その後の自然陣痛発来を待ち、人工破膜で対応するのがよいと思われる。
(参考文献:平嶋昇 ほか 「頭位おけるバルン型メトロ(オバタメトロ)による分娩誘発法−特に臍帯下垂、脱出の予防について)産科と婦人科50:109−112、1983)
症例2)
33歳 1妊1経 28歳 前回 IUGR にて(2,236g)
妊娠38週0日にて、胎児ジストレスにて当院にて緊急帝王切開。
今回H20年1月21日37週6日 子宮口閉鎖 展退50% マイリス膣坐剤使用開始
38週3日 子宮口閉鎖 展退50% 子宮下部筋層3、6mm
38週6日 子宮口閉鎖 展退50% 子宮口硬靱 マイリス3回目
骨盤レントゲンにて、産科真結合線13,75cm
CPDなく、下降度良好 VBAC可能と判断
1月30日 39週1日
PM3:00 陣痛開始
PM 5:28 入院 子宮口4.5cm 開大 展退80%
1月31日 39週2日
AM2:26 自然破水 突然遅発性除脈出現
AM2:30 吸引分娩施行 出口部1回にて児晩出
2,214g 女児 Apgar score 9−10点 頚管裂傷有り
分娩所要時間 11時間30分 出血量124ml
臍帯巻絡 頸部1回 袈裟懸け 左足1回 マイリス4回使用
*コメント*
軟産道強靱は難産が予想される。マイリス使用は有効と予想され、当院においては、全てのVBAC症例に使用している。
(症例3)
36歳 2妊2経 29歳 当院にて 37週0日 2,360g 胎児ジストレス
前期破水 臍帯下垂にて緊急帝王切開施行
31歳 当院にてVBACで,3,072g出産
今回 切迫早産にて,30週5日〜36週2日迄切迫早産で入院
1月25日 38週0日 子宮口3cm開大
1月29日 38週4日 子宮口3cm開大 展退30%子宮下部筋層4.5mm
1月31日 38週6日 PM0:20 陣痛発来
PM2:25 9cm 開大
PM4:08 9cm 開大 下降度SP−0 子宮口強靱
PM4:25 人工破膜施行
PM4:35 子宮口切開
PM4:42 前回帝切適応de,吸引分娩(出口部1回)にて
2,868gの男児晩出 分娩所要時間3時間56分 出血量116ml
Apgar Score9−10点 大横径9.5cm
産科真結合線13.7cm マイリス注射2回使用
*コメント*
前回VBAC=反復帝王切開を慎む事である。一度VBACに成功すると,分娩所要時間は短くなり、当院の症例は全てVBACに成功した。
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