医療法人社団昇龍会 |
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平島歯科医院玄関(館山市北条キネマ通り入口) |
幼い頃の兄弟 (後列左端が私です。) |
秋の房総の海を背に |
9月23日(秋分の日)
故郷 館山 塩見海岸を臨む海の湯宿「花しぶき」で、姉の「喜寿を祝う会」を私の音頭で開催。兄弟が揃いました。
まず、祝辞のマイクを持ったのは、兄・毅。
姉と年子の兄は、いつも机に向って勉強している姉を見ていたそうです。
そして、その姿勢に倣えば医学部合格も夢ではないと思い猛勉強。見事、
千葉大医学部に現役合格を果たしました。
続いて乾杯の音頭をとったのは、弟・勇。
その兄・毅の姿を見て高校時代勉強に専念した勇は、「自分が現役合格できたルーツは、
お姉ちゃんにあったんだと気づいた。」と述べました。
私たち兄弟は、早くに両親を亡くしました。
私と弟が一緒に群馬大学医学部を卒業した年の12月、母は逝去。
さらにその1年半後、まるで後を追うように、父も亡くなりました。
想えば、われわれ2人の卒業式に揃って出席してくれたのが、生前の
両親に出来た、唯一の親孝行だったように思います。
その後私は傷心のまま、アメリカ留学を決意。
そして姉の計らいで、帰国後結婚しました。
この日、その姉を囲んで兄弟が集い、サザエのおさしみ、獲れたてのアワビ、大きな伊勢海老などなど、房州の魚料理に舌鼓。
私は少しだけ、姉に恩返しができたような気がしました。
姉にはいつまでも元気で、ライフワークである英文学の翻訳の仕事を続けて欲しいと願っています。
館山を訪れたので、親しくお付き合いしていただいている 画僧
巴人先生のお宅に、ご挨拶に伺いました。
老犬“トモちゃん”のお出迎えを得、お座敷に上げていただくと――
そこには、前回制作をお願いした、「誕生仏」「昇竜の図」「安房の海」が!いずれもなんと、20号の大きさ。
目下制作中の大作を目前にして、感激の叫びを上げました。
それらは来春3月、六本木「東京都美術館」に展示したのち、
我が家に届くとのこと。いまから到着がとても楽しみです。
9月26日(金)
午後3時、今月予定日の妊婦さんから「出血」を知らせるTELが入りました。
即救急車での来院を指示。
急ぎ受け入れ態勢に入るも、救急車のサイレンは聞こえず、再度TELするとやっと、
今から向かうとの返事。
来院後、「胎盤早期剥離」が疑われ、即緊急帝王切開の準備に入りました。
幸運なことに、麻酔専門医も急遽駆けつけてくれ、到着と同時にOPE開始。
4時03分、胎児晩出。すぐに県立小児医療センターへ出動要請をし、
小児科DR2人、ナースが救急車で到着しました。そして、BABYを小児センターに搬送。その後妊婦に輸血開始。
この症例は、当院での反復早期剥離の2例目でした。
ようやく6時、全てを終え、外来再開。
母子共に救い得たことに、心底安堵しました。
(埼玉県立小児センターに搬送されたBABYは、現在元気で、
お母さんの運ぶ“母乳”を飲んでます。)
「胎盤早期剥離」は最も危険なお産で、母体死亡原因の上位になります。
産科医は、いつこのような症例に遭遇するかわからない。
そんな恐怖の中で、緊急時に備えていなければならないのです
(参照「10年間の常位胎盤早期剥離15例の臨床的検討並び反復早剥の経験」平嶋昇 10周年記念誌 P93〜96)
そして、一旦重篤な結果(母体あるいは胎児死亡)となれば、訴訟のリスクを抱えることになります。
これが、産科医減少の、大きな要因のひとつになっています。
どうしたらこのような現状を改善させ、産科医を増やせるかと知恵を絞っても、中々妙案は見つかりません。
その間にもお産の現場からは、どんどん産科医は消えていってます。
10月1日から始まった、妊婦さんを巻き込んでの「産科医療補償制度」も、
「産科医」を巡る危機的状況の打開策とはならないでしょう。
このまま消えていく「産科医」をただ見つめていては、少子化は止まらず
街から産声が消える日も近いのではと危惧します。
どうする、「厚生労働省」。少子化対策なくして、日本の繁栄などあり得ません。
今こそ若い妊婦さんの声を聞け!!
9月27日(土)
赤坂の料亭「泉クラブ」において、「美紗の会」のおさらい会があると聞き、
四谷で行われる「産科中小施設研究会」出席前に、お邪魔しました。
小唄、三味線の西松布咏師匠は、事務長ヒラリンの同級生。
そして師匠の2番弟子・大久保朋布咏さんは、私たちの友人です。
癌と闘った彼女の快気祝いも兼ねた小唄の会で、しばしの典雅な世界に浸りました。
元気になった大久保朋子さん
(当院の建築アドバイザー。
一級建築士兼織物デザイナー兼小唄三味線名取の才女。
この日のお召し物は、彼女が自ら織り染め上げたもの。)
(加藤マネジャー・大久保さん・西松布咏師匠と記念撮影)
付記:
西松布咏さんの活動について
師匠は、「日本の伝統芸能と前衛芸術はどのように融合できるか」
をテーマに「ニュアンスの会」を立ち上げ主催。
以降10年間、模索しながら様々の分野の方とコラボレーションしてきました。
10月18日には、彼女の生まれ育った、白金の森に佇む「東京都庭園美術館新館大ホール」にて
10周年記念 第5回「ニュアンスの会」が開催されます。
残席わずかとなりましたが、ご興味ある方は、
美紗の会事務局(03−5447−2412.03−3441−2726) E−mail:nfue@soleil.ocn.ne.jp
詳細は「美紗の会」ホームページをご覧ください。
深まり行く芸術の秋、日本の三味の音、地唄舞、舞踏、詩、映像などなど楽しんでみてはいかがでしょう。
記:10月5日
今夜は満月です。これから3つのお産を抱えています。
9月26日 当院で胎盤早期剥離で緊急帝王切開女児(2092g)を出産した
患者さんから、本日お手紙いただきました。
「胎盤早期剥離で二度目の緊急手術となりました。
多量の出血があった為、一度目同様恐怖心で一杯でしたが、
平嶋先生、看護師さん方の御尽力で赤ちゃんの一命を取り止めて頂き
深く感謝しています。
赤ちゃんは産後すぐ小児医療センターに搬送され、入院中の10日間は
対面することができませんでしたが、退院させていただいた日に
赤ちゃんを面会することができました。感動して涙が止まりませんでした。
救命と産後の温かいケアありがとうございました。」
このようなうれしいをお手紙を手渡されると、
私も、副院長もスタッフもうれしくて、
「また妊婦さんのために頑張るぞ!!」
という勇気が湧いてきます。
ありがとうございました。