妊娠初期に、早めに医師の診断を受けることはとても大事なことです。生理不順の人は、妊娠に気付かずに、つわりを胃が悪いのと勘違いしてレントゲンを撮ってしまう人もいます。
また、月経様出血（いつもより量が少ないのが特徴）を生理と勘違いして、妊娠に気付かない場合もあります。
妊娠したかな…と思ったら、早めに医師の診断を受けてください。最終月経から妊娠期間を計算し、胎児の大きさを超音波で見ることで出産予定日を知ることができます。それに双子（一卵性か二卵性の診断も大事なこと）の確認、子宮外妊娠（初期なら卵管を切除せずに済む）、胞状奇胎（俗にぶどうっ子と言われ、超音波断層で早期に診断が、でき、早く処置すれば、するほど、その後の悪性変化、絨毛ガンなどになりづらい）、卵巣腫瘍や子宮筋腫の有無なども、初期ほど診断しやすい。
そして、定期検診を受けることも大事なことです。流産にならないためのアドバイスや、もし胎児の心臓が動いていなければ早めに処置することもできます。それに妊娠をした自覚も生まれ、薬の服用に対しても慎重になるようになれるのです。
●バランスのよい食事
妊娠中は栄養管理が最も大切です。そのために当院では、毎週水曜日に妊産婦さんに個別に栄養相談を行っています。特にカルシウムは妊娠中毒症防止、血圧の低下に効果があるので、牛乳や小魚は意識してとるとよいでしょう。また、体重は元の体重より９kg増くらいを目安にしましょう。太りすぎは妊娠中毒症や巨大児による難産、心臓にも負担がかかります。逆にやせた人は、20週目には３kg増を目指しましょう。栄養不足は未熟児になります。
●適度な運動で身体を動かす
妊娠中は流産や早産の可能性がなければ、１日７〜８千歩は歩くようにしましょう。出産のときは、全身の筋肉を使い、相当な体力を必要とします。全身運動は安産を促しますので、水泳は、最も理想的です。（当院では、マタニィティスウィミングと提携し、積極的にすすめています。水泳は浮力が働くので、お腹の重さから開放され、腹筋や背筋も鍛えられます。また、腰痛予防に役立ちます。同様に妊婦体操、マタニティビクスもよいでしょう。
●規則正しい生活を送る
食事や運動以外に、十分な休養をとることも必要です。睡眠時間は７時間は最低とってもらいたいですね。入浴も身体を清潔に保ちますし、気分転換にもなります。
●つわりの対策方法
つわりは生理的現象ともいわれています。空腹だと気持ちが悪くなるので、空腹感がないように少量を何度かに分けて食べるようにします。夜中に軽い食事をとっておけば、朝気持ち悪くならずにすむでしょう。また、無理に食べようとせずに、好きなものを食べればいいのです。妊娠初期のころは胎児も１kgほどと小さいので、栄養はあまり気にしなくても大丈夫です。
しかし、あまりひどい場合は病院へ。吐いてばかりいると、体重の減少、栄養不足、脱水症状を引き起こし、手遅れになると死に至ることもあります。５か月を過ぎてつわりが治まらない場合は、肝臓疾患、胃潰瘍、横隔膜ヘルニアなどのほかの病気の心配があります。
●飲酒や喫煙はやめる
お酒は胎児アルコール症候群（知能低下、特有な顔ぼう、運動機能障害など）につながります。タバコのニコチンは血管を収縮させ、胎児に酸素が行かなくなります。旦那さんが喫煙する人も要注意です。タバコの煙が充満したパチンコ屋への出入りも控えてください。
こうした生活に改善するのは大変なことです。しかし、自分のためでなく、子供のためと思えばきっとがんばれるはずです。
