避妊薬として今秋にも認可されるというピル。しかし、認可されることによって、性病の蔓延が心配されている。また、あらゆる人が服用できるわけではないようだ。今回はピル服用の注意点と、服用の際に注意が必要な人について。
*ピル認可によって蔓延が心配される性病
ピルを服用する上で一番大切なのは、どういう人が飲むか、ということです。ピルはだれもが飲める万能薬ではありません。それにピルは避妊薬であって、性病の予防には絶対にならないのです。特に男女共に不特定多数のパートナーがいる人は、性病予防のためにコンドームは必ず使用し、ピルとの併用が望ましいといえます。
ピルを使うことによって心配される、性病の蔓延。実際、約10人に1人の割合といわれるほど、クラミジアは年々増加傾向にある病気です。女性には自覚症状がほとんどないために、爆発的に増加しているのです。妊娠、あるいはパートナーの男性が発病して、気が付くことも多いようです。しかし、放っておけば不妊症、子宮外妊娠、エイズにもなりやすくなるなど、実に恐い病気です。アメリカでは、クラミジアに感染していたらエイズを疑え、というほどです。また、胎児に感染すると新生児のうちに肺炎を起こすこともあるのです。また、ヒトパピローマウイルスが原因といわれる子宮頸ガンの増加も、ピル認可を前にして今から心配されている点です。
ピルを処方してもらうときには、身に覚えがあってもなくても(もしかするとパートナーがほかの人からうつされている場合もあるので)、必ず子宮頚癌と性病検査を受けるようにしてください。
*ピルの服効用とは?
ピルの認可によって性病の増加が心配されますが、避妊効果以外にもこんなメリットももたらしてくれます。
- 月経周期が規則正しくなる
- 月経痛がなくなる・軽くなる
- 月経血量が減少し、貧血が改善される
- 卵巣ガン、子宮体ガンの予防
- 骨盤内感染症の減少
- ニキビの改善
- 骨粗髭症の予防
また、前にも書いたように、性病やガンの検査、血圧、体重測定(体脂肪率)、肝機能検査、中性脂肪、コレステロール値、尿検査で尿たんぱく、尿糖等のさまざまな検査を受けられるというのもメリットのひとつといえます。
*ピルの服用ができない、注意が必要な人とは?
前のほうで書いたように、ピルはだれもが飲める薬ではありません。以下のような人は服用してはいけない場合や、服用するにあたって注意が必要です。
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 乳がん、子宮がん、子宮筋腫である、またその疑いがある
- 月経とは違う性器出血がある
- 血管内に血が固まる血栓症である、または過去になったことがある。血栓症になりやすい体質である
- 乳房にしこりがある
- 最近、手術や出産をした。また、予定がある
- 肝臓、腎臓、心臓に障害がある
- 血中のコレステロールや中性脂肪が高い
- 高血圧である
- 血糖値が高い
- 妊娠、または妊娠している可能性がある
- 授乳中である
- 肥満
これらの項目にひとつでも該当する人は、服用前に、医師に必ず相談してみてください。
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